ビジネス雑感

ITを中心に小売りやマーケティングなど幅広にビジネス関係の話題をとりあつかいます。

ロピア凄い、ウルトラすごい、超スゴイ

f:id:hd-faune:20201114135549j:plain

頭の悪いタイトルで申し訳ありません。

9月にオープンした関西でのロピア初出店、ロピア寝屋川島忠ホームズ店に、本日、行ってきたわけです。

圧倒されました。場所は京阪の香里園から1kmほど離れた、店名から分かるように島忠ホームズのテナントとして入っているのです。テナントとしての場所は1Fの奥まったところにあって決して恵まれているわけではないです。もともとのメインの島忠さんは、現在M&Aで世間を賑わせているホームセンター、ということでかなりの売り場面積を占めますし、中央入り口から入ると、島忠→ダイソーロピアという動線になります。

それでも、近づくにつれ、人の多さが目立つようになって、店内(別に壁があるわけではないのですが)に入るのに行列になってる。うまいのが、最初に野菜果物で価格訴求するものを並べていることで、これが行列になり、かつ動きが鈍くなる、必然的に商品に目が行って、その価格の安さに驚愕し思わず手に取ってしまう、という動きになってしまうところ。

しかも店内も人が多い。密室でないだけで少なくとも2密なのは確実。んでもって、みなさん一様に「安いねえ」と言っている。店内で、関西初出店ということからか、店舗理念の説明や創業者の想いがアナウンスされていて、EDLPの考えを浸透させようとしている感じを受けました。

さらにディスプレイも秀逸。非常に楽しい。ハローデイ以外に店内にプラレールみたいな列車走らせているの、初めて見ました。お子さん大喜び。って、ディスプレイ全般、ハローデイ参考にしている感じですね。

メガ盛りな肉、なんて誰得?と思いつつ、まぁ住宅地なんでそこそこ売れている模様。お惣菜、特にお弁当は昼過ぎに行ったこともあって、ほぼ売り切れ。機会ロスではありますがそれだけ繁盛している店、ってことです。実際、平日もこれくらいの入りとのことだし、レジ待ちなんて下手したら、店内縦断列ができるとかできないとか。。。まぁ、これはセミルフレジとはいえ、現金決済のみってので時間食っているのかも、です。

関東を席巻しているのがよく分かる繁盛っぷり。で、じつはお隣には平和堂GMSとしてアル・プラザ香里園ってのを出しているのですが、これは相当影響を受けている感じ。帰りに寄ってみましたが、店内の陳列、賑やかさ、などなど申し訳ないですが勝負になっていない。正直、関西圏のGMS, SMは現在戦々恐々としているのではないか?と余計なことを考えてしまいました。

リアル店舗 VS EC?

 

Covid-19でのライフスタイルの激変を受けて、食品スーパー特にEC界隈の業績が好調です。ただ、リアル店舗の場合は店内客数、EC(ネットスーパー)ではピッキング〜配送の工数ボトルネックがあるようです。リアル店舗では、面積や営業時間の制約、ECではピッキング作業や配送作業といった作業員の制約もあって、各社の智慧の絞りどころなようです。。

他社との提携

特にECでの配送は他社の力を借りて、処理能力を増やすということになるのでしょうか。

ライフ

他人のふんどしでというとチョット印象が悪いかもしれませんが、自社で不十分なリソースはよそから借りるは商売の鉄則とも言えます。ライフがアマゾンとの提携を強化しているのは、その判りやすい一例です。プライムナウアプリを通じないと注文できないのは、個人的には不便を感じます。
一点気になるのは、アマゾン依存にならないか、ということ。米アマゾンがホールフーズ買収を経て直営店出店を強化した結果、当初ECを全面的にアマゾンにお任せしたトイザらスの二の舞いにならないかと心配。店舗からの自社は移送も続けているので大丈夫とは思うのですが。

イオン

英国巨人オカドとの提携による大規模物流センターへの投資が一番のトピックでしょう。ただ、これは記事にもある通り、本格稼働が2023年ですし、効果が出るのもさらにその後なんで中期的な競争力強化につなげるものでしょう。
短期的なところでは、ソフトバンクグループとのネットスーパー宅配の提携でしょうか。とはいえ首都圏のみなので効果も限られそうです。

自社内での取組み

店舗では三密回避のため時間帯にょっては来てもらう人を現状以上に増やせない、一方でEC注文に対応するピッカーや宅配ドライバーも、すぐには増やせない、となると、お客様の回転率(飲食業のようですが)=単位時間あたりの処理量を増やす、というのがすぐに思いつきそうです。

お客様側の作業の短縮

極論すれば、来店は商品引き取りのみのためのみ、であればお客様の店舗滞在時間は極小化できます。自宅に届けてもらえる「ネットスーパーより不便じゃん」という声もありますが、個人的には①一定時間帯での在宅の必要がない、②外出中にEC注文しといて、帰宅途上に引き取りできる等、自由度も高いのは魅力です。、
宅配ロッカー〔受け取りBOX)の利用などは、生鮮品の保存のための温度管理をクリアできれば、有効な解決策の一つかもしれません。また、家電量販などで普及している店舗受け取りあるいは、ドライブスルーの導入も店内在庫スペースをどうするか、受付オペレーションをどうするか、といった課題を乗り越えられれば可能性がありそうです。

従来通り、来店してお買い回りいただいているお客様に対しては、レジ後の作業短縮でしょうか。スキャンと決済の分離が図れるセミルフレジの普及もこの効果が見込めます。一方決済後のサッキング(袋詰め)は完全お客様作業で、お客様によって時間がかかる場合もあります。この部分、何か効率化できれば、とは思うのですが、ノーアイデアなのが哀しいところ。

オペレーションの効率化

ECで単位時間あたりの処理件数を増やすには、ダークストアも一つの選択肢かもしれません。イトーヨーカ堂の西日暮里店の事例が国内では有名ですが、今回のCovid-19の感染対策つぃて、限られた人数でオペレーションし、不特定多数の顧客との接触を避けられるという効果もありそうです。

リアル店舗 VS EC?

各社の取組みを見ると、EC・店舗の二項対立の構図ではなく受注〜配送・決済をリアルネットを組み合わせてどう最大化するか、という勝負なように思えます。。

イオンそよら海老江

f:id:hd-faune:20200819152932j:plain

イオンそよら海老江2F

 

3月28日にイオンスタイル海老江としてオープンし、このたびショッピングセンターとしての名称が「イオンそよら」になった大阪のイオングループの新しいショッピングセンター「イオンそよら海老江」に行ってきました。

店舗の情報

最寄りはJR東西線海老江か、阪神野田、地下鉄千日前線野田阪神。近くには、イオン野田阪神やコーヨーストアもあって、イオンさん、カニバリズムを恐れていないな、と本気が伝わってくる立地です。周りには大きなマンションとかも何棟かあるし、小学校、保育園等の育児施設もあって、新興住宅地の趣。おもな客層は小さな子供のいるファミリー層といったところでしょうか。

特徴

イオンのNSCといえばイオンタウンの名称でマックスバリュをキーテナントにしたオープンモール型で全国展開しています。個人的には核になっているのがイオン(マックスバリュ)なだけで、平和堂や他のグループでもあまり代わり映えがしない、という印象ですが、新たに「そよら」というブランドで攻めているだけ合って一味違います。

まず、気になったのがNSCのテナント構成の定番とも言える食品スーパー、100円ショップ、ドラッグストアから100円ショップやドラッグストアを外してきた点。じゃぁどんなところがテナントなのかというと、レストラン、テイクアウトと食で攻めます。それにリラクゼーションやクリニック、ペットショップ、こども向け教室、とテナント見ているだけで期待している客層亀に浮かぶようです。裏付けるかのように2Fは芝生のスペースにはキッチンカーを並べてたり、子供が遊べるようになっていて、近隣イオングループ店舗とは明らかに一線を画しています。

イオンスタイル海老江

で、核テナントのイオンスタイル海老江ですが、最近の流行に対応すべく、店内イートインスペースもばっちり(コロナ対応で座席は間引いてたりと苦労されているようですが)。でその総菜はいくつかのパック提供を組み合わせられるえらべる弁当というのがお昼には提供されているようです。それ以外にも量り売りのリワードキッチンは通常のイオンどおり。その横がベーカリースペースなのですが、店内で焼いてるようです。

イートインスペースのところに持込み用のレジスペースがありますが、そのレジはセミセルフですかね?いえ、商品スキャンと精算機は1:1対応なんですが、精算機は客側に向いているので、レジの人と現金やり取りは無しで済ませられます(レシートも前から出てくる)。

細かなところでは、このご時世、等質資源食のコーナーがあったり(但し、品揃えは麺など限られてて物足りない)もしてますが、件のイートインスペースで提供されているソフトクリームがミニストップ提供のものだということ。うん、判っているなイオン。

 

 

飲料自販機販売もなかなか大変

 最近、ダイドードリンコ、コカコーラ、伊藤園と飲料自販機関連の取り組みが立て続けに発表されています。

 今までポイントカード自販機や喋る自販機などユニークな自販機の開発と、自販機中心の販売チャネルという独自の地位を築いていたダイドードリンコは、ポイントカード自販機のポイント(CLUB DYDOポイント)をスマホ自販機のポイント(DyDo Smile Stand)に移行することを1月31日に発表しました。日経コンピュータの2月16日号では、社長の高松富也氏のインタビューも掲載されていて、協奏が激化する飲料販売における自販機の役割の重要性(IoT拠点としての活用)を語ってらっしゃいます。

 またコカコーラでもスマホアプリによるキャンペーン強化が2月8日に報じられています。

 そして、伊藤園コーヒーショップTully’sのみならず、一部の自販機もポケストップ、ジムにする、と発表しました。

 まず、ダイドードリンコやコカコーラのようなポイントカード機能のアプリへの移行は消費者側には大いにメリットがあります。誰もがポイントカードで膨らんだ財布を持ち歩くのは嫌ですから、スマホにアプリを入れておけば対応可能、というのは魅力的です。ほんとうは、それがなんとかポイントといった共通ポイントがたまると、もっともっと嬉しいのですが、それは企業側のマーケティングの都合としても面白くないのかもしれません(ダイドードリンコはLineポイント等がたまるようにしているようです)

 また、スマホの普及率はますます上がり、皆さん時間があればスマホの画面をのぞくことが常態化、おそらく一番触れているモノはスマホ?なくらいの状態なのですから、企業としても消費者にアプローチする先のチャネルとしてスマホ、が有力な選択肢になっているのもうなずけます。そして、アプリを最初に起動したときにでも個人情報(年齢や性別など)を入れて、GPSへのアクセスを許可してもらえれば、購入履歴や行動履歴もためこめて、それなりにパーソナライズされたキャンペーン情報を個人に届けることができそうです。特に伊藤園の場合、有力コンテンツのPokémon GOと組んだことも合って、ポケゴーと連動したキャンペーンあたりを考えているのかもしれませんね。

 そうしたことからも今後も飲料自販機におけるスマホアプリ活用・連動というのはますます盛んになるように思えます。

オムニチャネルで解決するわけではない

 カメラのキタムラが129店舗を閉鎖する、というニュースが流れています。カメラのキタムラといえば、日本のオムニチャネルの事例のモデルケースとも言うべきもので、ネットよりも店舗重視な管理指標や評価制度は、他の小売りからも範とされるものです。また、旧聞に属しますが、オムニチャネルの事例として、まず取り上げられるアメリカの老舗百貨店macy'sも同じように閉店・リストラの動きがあります。

続きを読む