ビジネス雑感

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マーケティングオートメーションにおける見込み客評価 その2:資料ダウンロード

資料ダウンロードはどうでしょう?これ、意外と曲者で前述の「情報収集」が多いんですよね。というか、我が身を振り返っても、「とりあえず情報収集のために資料ダウンロードしておくか」って場合が多い。しかも、フォロー電話がかかってくるの嫌だから、電話番号は適当に入力したり、なんてやっちゃいけないことをやってみたり(ごめんなさい)。

情報収集やお勉強のためだけの人をフォローするおは時間の無駄。かと言って、資料ダウンロードをする人の中には、明確な問題意識とまではまだ言えないんだけど、「何か」は感じていて、そこを突けば案件化しそう、という人も僅かながらいる、ということもあって、全部捨てるのはあまりに惜しい。

まぁ扱っている商材・サービスにもよるとは思うのですが。以前聞いたとある商材では、資料ダウンロード後15分以内に電話するのが効率が良い、といっていました。確かに反応は良いと思いますが、果たして効率が良いのか?というのはちょっと商材だけではなく、コンテンツの性質にもよるのでしょうね。

よく言われる話ですが、各リードの状態に適したコンテンツがあるはずで、例えば、前述のように何とは無しの問題意識を持っている人に一般的な製品を提供するコンテンツや問題意識を持っていてその解決策を探している人向けのコンテンツといった感じで。となった時に、これらのコンテンツの性質によって対応を使い分けるが、現実解、となりそうです。

といっても、これも落とし穴があって、結局ホームページを訪問した人の行動は制御できないんです。実際我が身を振り返っても、とりあえず落とせる資料は手当たり次第に落として後で取捨選択する、なんてことをよくやってます。相手会社に個人情報を一回渡すも2回渡すも一緒、みたいなひらきなおり、があったりですかね。

そうなると最終的には問合せが唯一有効なコンバージョンという身も蓋もないことになるのかもしれません。ただその中でもちょっとでもリードの状況に重み付けをしたい、そのためにMAツールでは先の記事にも書いたようなスコアリング機能を用意して、ページを見る度に+1pt, 資料をダウンロードすれば+10ptみたいにリードに経験値を稼がせて(違)、ある程度貯まったところで美味しく頂く、問い事をするわけです(もっと違)。ただ、このスコアリング、ページごとやアクションごと、となると結構んようが面倒です。やらないよりはマシ、というところでしょうかね。

私はまだ試したことはないんですが、資料ダウンロードのフォームについてはその資料の価値に応じて要求する項目を増減させるというのはどうでしょう?それでも私のような資料コレクターにはあまり意味がないかもしれませんが、これはよくありますが、現在の自社の検討段階も併せて訊く(正しく答えてくれる保証はありませんが、電話ほしくない人が「予算化済で選定中」なんて選択肢は選ばないでしょう)というのが、お手軽で、取りこぼしはあるかもしれないがニーズがありそうなところをキャッチできる方法、なのかもしれません。

マーケティングオートメーションにおける見込み客評価 その1:スコアリングと問合せ

ある程度の活動を通じて、リードとのコミュニケーションを重ねて、次はどうしましょう?最終的には、商談化して契約してもらうのですから、どこかで営業さんに「この人ニーズありそうだから、訪問お願いできますか?」と引き継がないといけません(実際にはもっと細々とした情報交換がありますが)。では、「この人ニーズありそう」をどのように判断すれば良いでしょうか?

MAの一般的な機能としてスコアリングを使うというのはアリかもしれません。要はメール開封で1ポイント、Webページ閲覧で2ポイント、資料ダウンロードで10ポイントと、リードごとに点数を積み上げていくあれです。でも、スコアリングって本当に使えるのでしょうか?MAでは基本ネットでの活動を評価することになるので、やたらページを見てくれている、しかも資料もダウンロードしてくれている、となるとスコアは上がります。でこれだけスコアが高いってことはニーズも高いはず、と営業さんにフォローお願いして電話したら「いやぁ息子が御社に就職が決まってね」とかはまだマシで、窓際族のおじさんが仕事しているフリで「情報収集」なんてこともよく聞く話です。個人的に、特にBtoBではスコアリングは単体では使えないし、メインの判断材料にすべきではない、と考えています。

一番確実なのは、問い合わせフォームへの入力でしょう。基本自由記述で書くのでそれなりに入力するのはニーズが明確だったり切迫している方々、ということになるので、基本的にはこれはすぐに営業にパスしても良いように思います。もちろん、書いていることが不明瞭な場合なんかは営業にパスすする前に個別にヒアリングが必要かもしれませんし、ちょっと本質ではないかもしれませんが、営業が忙しく余裕がない場合もある程度はマーケティング側で裁く必要があるかもしれません。まぁ、それはおいといて、問合せは大事、ってことです。個人的には電話フォローすべきレベル。

(もうちょっとかかりそうなんで、ここで一旦切らせてください)

責任は俺が取る

上司になったら一度は言ってみたい言葉だったりしませんか?ちょっとかっこいいですしね。私は言ったことはありませんが(そういう職位でもないし)、言われたことはあります。難易度の高い仕事で、これ、ちょっとやそっとではうまくいかないなぁ、というときに「とにかくやってみよう。うまくいなかったら責任は俺が取るから」と。

結果については申しますまい。そのことが問題なのではないですから。

で、ふと考えてみたわけです。この場合の責任って何でしょう?たとえば、新事業をする場合、担当者が経営に責任を負うなんてできるわけがなくって、それは事業責任者の専任事項となるわけです。そうなるとこの言葉の出番はないことになります。あるいはあってはならないことですが不正行為に見てみぬをふりをする、とか、実行するとか。前者の道義的な問題は置いといて、後者は実行犯として「責任は俺が取る」なんてナンセンスです。ヤクザ屋さんの世界みたいに俺の代わりに2~3年臭い飯を食ってくれ、帰ってきたら悪いようにしないから、なんて言葉が通じる会社なんて、かなりイヤですね。

もうちょっと穏便に、難しいタスクのレベルだとしましょう。たとえば営業ならチョー困難な新規先の獲得、開発なら新製品開発やPJたてなおしとか。経理・総務の業務効率化でも良いかもしれません。あくまで担当者レベルなことがポイントです。担当者としてはその仕事に邁進するわけです。でも結果が出ずに、年度末がやってくる。目標管理制度や業績評価制度を取り入れている会社も多いと思いますが、そうした制度の下では担当者は「がんばった」ではなく「成果を出したか」がメインで評価されます(若干極論ですが)。となると担当者の評価は芳しくないものになります。一方「責任」をとってくれるはずの上席者は担当レベルではなく、上席としての範囲・職務(たとえば部や課のレベル)で評価されるわけで、一つうまくいかない仕事がありましたが、他はうまくできました、というようなリスクヘッジが取れます。

これは極論ですが、どうもその響きのかっこよさに比べて、「責任は俺が取る」という言葉は意味がない言葉のように思います。その言葉を言う人はもともと自分の責任だったものを部下に投げているだけなのかもしれませんね。

マーケティングオートメーションを使った定期的なコミュニケーション、でも大事なのはコンテンツ

②顧客との継続的なコミュニケーション、これはある意味わかりやすいかもしれません。キーワードは継続的なコンテンツの拡充・ブラッシュアップとその発信、もっと言ってしまえば、ホームページの内容を拡充・更新してそれ+アルファの情報(たとえばイベントの開催や出展のお知らせなど)をメールでもお知らせすことでしょう。

とはいえ、なかなかコンテンツを揃えるのにも苦労するかもしれません。ホームページにどのような内容を上げるのか?とりあえず、製品・サービスの概要説明?値段を公開するか?でも競合から参照されるのは困るからどこまで書けば良いのやら。最初から悩みがつきません。

--でも、ちょっと待ってください。忘れていませんか?コンテンツは継続的に提供する必要があるのです。最初の公開コンテンツだけではホームページへのアクセスも増えませんし、「ホームページで詳しい情報を公開しました」メールを1回出して終わり、ではあまりに悲しすぎます、というか、全く効果でないとになります。最初のコンテンツだけではなく、継続的な情報発信・コンテンツ作成、という点からコンテンツの作成は考える必要があります。

いつ作るのか?は置いといて、どのようなコンテンツの種類を揃える必要があるのかを洗い出した上で、それをいつ提供するか?の順で考えてみましょう。この時に必要な視点は、製品・サービスを提供する売り手の視点、はもちろんですが、もう一つ製品・サービスの導入を検討している側(あえて買い手とは呼びません)の視点です。わかりやすくいうと、売り手の視点から、どうやって興味を引いてもらうか、興味を持ったお客様(候補)がどの程度真剣に考えているのかをどうすればわかるかを考えます。そして検討している側の視点からは、どのような情報を欲しがっているのか?関係者や上席をどうやったら説得できるのか?を考えるのです。

最初に作るのはまず、自分たちの提供する製品・サービスを知ってもらうための情報を記載したホームページでしょう。詳細な部分までかければベター。翻って、検討している側の視点で欲しい情報、同じような製品に対しての違いはどこにあるのか?どのような事例があるのか?いくら位かかかりそうなのか?というのを最初に公開できればベストでしょう。

まず知ってもらう、次により深く知ってもらう、あるいは検討する側の購入検討のステージに入ってもらう、ためのコンテンツを用意していく、という流れになるのではないかと思います。

ただいずれにしても、大事なのは継続、です。

マーケティングオートメーションを使って有望な市場を見つけられないか?

①自社にとって有望な市場・客層をどのように見つけるのか。ある程度売れている商品・サービスであれば、売れた企業の共通点を見つけるのが手っ取り早いでしょう。業種だったり規模だったり、ひょっとすると地域性もあるかも知れません。あるいは、お客様に直接、なぜ自社の商品・サービスを購入・利用いただけているのかをお聞きした上で、その理由・決め手が当てはまりそうな企業について、仮説を立ててみる、というのも一つの手です。あまりデジタルマーケティング関係ないですね(笑)。

でも、商品・サービスの立ち上げ時期となると、導入実績なんて有意な数が集まるわけもない。あるいは、代理店の紹介などでかろうじて10~20くらいの導入実績は稼げたのだけど、よくよく考えてみると他社のいいなりでやってきて、導入企業に共通性がないなんてことはざらにあるでしょう。そうなると、果たして次にどこに攻めに行くのか?自社独自のチャネルを開拓する時にどのようにすればいいのか?でハタと困るわけです。どの業種の展示会に出せばいいのだろう?もちろん、リソースが無限にあれば全部やってみましょう。できるものなら、ですが。

実際そんなことできるわけもないので、頭を働かせる必要があります。そうですね、たとえば、ある程度の数のリードもっと言えば不完全な情報でもメールアドレス+アルファの情報(とはいえ、企業のメールアドレスであることが前提ですが)があるのであれば、マーケティングオートメーションを活用する余地があるかもしれません。ランディングページ(LP)を作って、LPへ誘導するメールを投げてみる。その反応。さらに単なるLPではなく読み物的なコンテンツにして、複数ページ構成にするのも良いかもしれません。そうやって投げたメールの反応を見る。クリック率や他のページを見たかどうか。営業との協力は必要ですが、名刺データを集めれば、100や1000程度場合によっては万の単位でメールアドレスは収集できませんか?そのアドレスに対してメールをして反応を確認するわけです。そして反応の良かった企業の共通点を探って、そうした企業向けのコンテンツを充実させていくという方法がありえます。

もちろん、最初に出すメールをどのように書くのか。一般的にメールを出す時には読み手にどうアピールするかを考えないといけないわけで、それが不分明だとどうしてもパンチの弱いメールになる。一旦、なぜそのメールを今出そうとしているのか?顔は見えませんし想像もできませんが、いったんエイヤとこんなメリットがありそうですよ、と一般的な言葉で決め打ちで一度書いてみる、ということをお勧めします。結果が思わしくなければ、別の文面を考える、ここはもうトライアルエラーしかないのが実情じゃないかと思っています。

買い物と受け取りの分離(New BOPIS?)

ライフがネットスーパーでの店頭受け取りを関西6店舗で開始、というニュースがありました。

いわゆるオンライン注文、店頭受け取り(BOPIS:Buy Online Pickup In Store)は他のが凝滞でも実施されていて、個人的にはヨドバシカメラタワーレコード紀伊国屋書店あたりはよく利用させてもらっています。 ライフのこのサービスの場合、店頭のサービスカウンターで受け取り、ということなんで、私がよく使っている、紀伊國屋ヨドバシカメラ、タワーレコートど同じような感じ。おそらくは店舗でネットスーパーの通常商品同様、ピッカーが注文商品をピックアップして、配送担当者に渡す代わりにサービスカウンターに渡す、という形式でしょう。事前のクレジットカード決済のみなんで、決済部分と配送分は省力化されていそうです。

オムニチャネルの一実現手段でもありますが、店舗とオンラインの融合(OMO:Onleine Merges Offline)として顧客体験を上げるというのは小売り各社真剣に取り組んでいます。このは池にはスマホの不キュなどによるいつでもオンライン化されているなんてこともあるのでしょうが、ここではその話は一旦置いておきます。

個人的に気になることが二つあって、サービスカウンターでの手間と②ピッカーの手間です。 この2つはん店頭でのオペレーションが前提になっているので、店舗側では売り上げ見込めるけどそれなりに人出がとられるように思うのです。ジャストアイデアなんですが、ダークストアでピックアップを集中して、ライフの一部店舗で行っているロッカー受け取りに配送させる、というのはどうでしょうか?これでいくと配送の手間はかかりますが、店舗単位になるので、個配よりも省力化可能ですし、ピッカーはダークストアで集中できるので、一般客の迷惑にならないように時を使ってやる必要もなくなる、場合によっては自動化?なんて夢が広がりんぐなのです。

BtoBマーケティングでMAができること

BtoBビジネスにおけるMA(Marketing Automaiton)の目的、それは①自社にとって有望な客層を見つけること、②顧客との継続的なコミュニケーションをとりつづけ、製品/ソリューションの選択肢に入り続けること、③顧客の態度変容をキャッチすることにあると思います。

一般にマーケティングでは、リード獲得(リードジェネレーション)、リードの育成(リードナーチャリング)、リードの評価(リードクォリフィケーション)と商談化(営業への引き継ぎ)、さらにこれらのマネジメント(管理)といった流れで説明することが多いと思います。

しかし、実際のところ、リード獲得といっても、展示会で大量の名刺を集めてきても、お勉強モードで決定権も問題意識もない若手(失礼)、同業他社の名刺ばかりだったりして、自社のターゲット顧客とはいまいち違っている、というか、そもそも自社のターゲットとしている先が本当に有効なのか検証できない、といったことすらある。さらにカスタマージャーニーを精緻に作ってWebページの構成を工夫しても、訪問者がその通りにページ遷移するなんて稀だったり、やたらと反応の良い見込み客に商談化できるかも?と期待しつつ喜び勇んでコンタクトしてみたら、「いやぁ、息子が御社に就職したんで」とか窓際族(失礼)の暇なオヂサンが暇に開かせてやたらとページ閲覧や資料請求しまくってた、なんてことがあったりします。

それにそもそもホームページのコンテンツとメールといった手段だけでは顧客の態度変容なんてのは期待できない、という冷たい現実もあります。その上、商談になるならないは、こちらの働きかけよりも、お客様側の検討/問題意識がどの程度あるかに左右される。もちろん、ネット/リアル問わず働きかけることでお客様をその気にさせること、も重要ですが、それだけのリソースを割けるのは、大きな金額が見込める商談/超重要ターゲット先くらいのもので、数をこなす商談/案件には適用しづらいのが現実。

では、MAに何を期待するのか?ということで、上記の①から③になるのではないか?と私は考えています。